インナーマスク2
研究はまだまだ続く…

前回考案した「インナーマスク」によって、マスクの外殻と内部とを独立して設計できるようになりました。そのメリットは、見た目や形、さらには着用感にも及びます。前回ご紹介した後も、より良い着用感を求めて、日々いろんなインナーを、いろんなマスク向けに作っています。インナーマスクは構造が簡単なので、1時間ぐらいで作れてしまいます。その気軽さも試行錯誤の助けになっています。

というわけで今回は、最近作ったインナーマスクのよもやま話です。
ネタがちょっと小粒で、中にはボツネタもありますが、どうぞご覧ください。


1. ガーゼインナー

これは台湾マスク2用のインナーです。このマスク、長時間の装着に向いており、かつその「包まれ感」がプリーツマスクを凌ぐ心地良さなので、家にいる時はいつも、最近では寝る時にも着けてます。

常用するようになると、清潔を保つためにインナーや当てガーゼが必要です。今までは前回ご紹介したような綿ジャージ(体育着のような生地)で作ったインナーを使っていました。

台湾風マスク2

着用派マスクフェチにとって肌触りのいい生地といえば、何といってもガーゼです。これまでガーゼ製のマスクやインナーが登場しなかったのにはわけがあります。それは加工がしにくいという点です。柔らかい生地なのでミシンで縫うのは簡単ですが、織り目が粗いため、どこまでも伸びる感じで採寸がピシッとできなかったり、端がほつれやすいのが欠点です。

でもこのマスク、着用感がすごくいいので、ガーゼでインナーを作ったらさぞ気持ちいいだろうなあ…という誘惑には勝てず、意を決してチャレンジしてみました。

写真1 医療用ガーゼを適当な厚さだけ取り出しますよ。

こういうガーゼは畳んであるのではなく、ぐるぐる巻きで売ってるので、欲しい厚さだけ取り出すのは意外と大変です。ガーゼはびろ〜んと伸びるので、一度ほどくと二度ときれいに畳めません。思い切って両端を切り落とし、欲しい枚数だけ剥がしました。

写真2 切り出す前に縫っちゃいます。

縫いものは普通、生地を切り出してからミシンを掛けるんでしょうが、今回は採寸→しつけ縫い→本縫いまでこの形のままやっちゃいました。生地が小さければこのほうが楽です。なんとなく鯛焼きっぽいですね。

写真2ではインナー(上のほうのバタフライ形のもの)以外に四角いのが3つ出来てますが、これは余り部分で汎用の当てガーゼを一緒に作ろうとしてるところです。

というわけで出来ました。

写真3 台湾風マスク2専用インナー(上)と汎用の当てガーゼ(下)

意外と簡単でした。切る前に縫ったら、生地を重ねて位置合わせする手間が省けて正解でした。
鯛焼き作戦、成功です。

写真4 台湾風マスク2に入れてみました。顔の凸凹そのままの形になってますね。
ピンク色の染みは揮発性のチャコペンで、じきに消えます。

着用感は素晴しいのひと言です。ガーゼマスクの心地良さがそのまま立体になった感じ。あの肌触りが顔全面にフィットする着用感は新鮮です。着けてると徐々に湿気を帯びて息苦しくなってくるのもたまりません。量産しようっと♪


2. パッド入りインナー

現在構想中の「拘束防水マスク5」では、こんな機構を考えてみました。
スポンジで作るパッドです。

写真5 スポンジ製パッド(想像図)
マスクの中がみっちり詰まった感じを出し、かつ息苦しさを高めるのが狙いです。

先日作った拘束防水マスク4では、マスクを顔の凸凹にできるだけフィットさせようとして、鼻筋のラインに沿った形にしました(写真6)。均一なフィット感は狙い通りだったものの、鼻が飛び出している外観ははっきり言って異様。家で着けるならともかく、ウォーキングには不向きです。

そこで、外観はプレーンなカーブに戻し、その内側に写真5のパッドを埋め込めばいいのではと考えました。

写真6 拘束防水マスク4

「拘束防水マスク」シリーズは1個作るのに丸1日かかるので、いきなり採用して失敗だったらダメージが大きいです。まずは効果のほどを試すべく、インナーマスクに仕込んでみることにしました。

写真7 まずはスポンジを切り出します。

スポンジを顔に当てて微調整しながら切り出します。これ、すごく難しいですね。写真5のような、表は平らで裏は顔の凸凹に沿った三次曲面を作るのは至難の技です。写真7はかなりいびつですが、これすら作るのに2,3個失敗してます。立体を立体として捉えるにはそれなりの訓練が要りますね。図工教育が絵画重視・彫刻軽視なのも一因じゃないでしょうか(と他人のせいにしてみる)。日本って昔からそうなんですよね。車のスタイルなんかも、イメージスケッチではいい形なのに、いざ現物になると中身が詰まった「塊」という感じがせず、ぺらぺらなデザインが多いです。浮世絵の伝統でしょうか。

作りながら、このアイディアはボツる予感がひしひしと(笑)。
仮に今回、いい形を作れたとしても、また同じ物を作ろうとしたら最初からやり直しです。型紙を当てて布を切るのと違って量産が効きません。これは大きな欠点ですね。

気を取り直して、インナーマスクに埋め込んでみますよ。

写真8 ただいま仮縫い中。位置決めが大変でした。

このインナーは綿ジャージ4枚重ね。その中に写真7のスポンジを挟み、しかるべき位置に配置したら、周囲を四角く縫って固定します。表面はもっこりしてますが、綿ジャージはよく伸びるので、余裕寸法をとるほどではないです。

写真9 埋め込み完了。この写真ではうまく出来たように見えますが…

埋め込んだら左右を合わせて完成です。

写真10 あっ…思いっきりずれてる。orz

写真8ではきっちり位置決めをしたつもりなのに、左右を合わせてみたらこのていたらく。裁縫って難しい(;_;)

もう一つ大きな失敗は、位置決めの際に縫いしろ(写真9で逆V字に切れ込んでるところ)の存在をすっかり忘れてたために、左右を合わせたらパッドが中央に寄り過ぎたことです。おかげで、鼻を左右から挟み込むつもりが、思いっきり鼻の「山」に乗っかってしまいました。

このインナーをマスクに入れて着けてみたら、効果はそこそこありました。でも、スポンジの切り出しが難しいので問題ありですね…。


3. 樹脂製パッド…?

スポンジの三次元カットが難しいなら、いっそ実物の「鼻」から型どりしたらどうだろう? と考えました。これなら量産も可能です。

パッドの素材は前述のスポンジが理想です。柔軟性、形状記憶性、さらには軽くて洗濯にも耐える特性は代え難いです。そこで最初は、熱か何かで硬化するスポンジのような素材を探しましたが、そんな都合のいい物はないようで、代わりに買ってきたのがこれです。

写真11 おゆまる

「おゆまる」という樹脂です。パッケージの通り子供のおもちゃ。80度以上のお湯に浸けるとぐにゃぐにゃになり、練り合わせて自由な形を作れます。冷めるとプラスチック消しゴムよりやや硬いぐらいまで硬化します。温め直せばまたぐにゃぐにゃになります。7色7本入りで315円(税込)でした。

写真12 中身はこんな感じ。プラスチック成分が多すぎてよく消えない消しゴムみたいな素材感です。

スポンジよりずっと硬いですが、ちゃんとフィットすれば、さほど気にならないかと思いました。重量もまあ許容範囲内です。

これを練って鼻の両脇に押し付けてみましたが、うまく形成できません。考えてみると、型取りは対象物より軟らかい素材を使わないと無理ですね。ぐっと押しつけて対象物がへこむようでは意味をなしません(写真13)。頬はぷにぷにしてて、樹脂より軟らかいですからね。

そんなわけで、これもボツ。

せっかく買った「おゆまる」はゴミ箱行き…かと思いきや、意外な用途を見つけました。この硬さと加工のしやすさ、アナルディルドゥを作るのに最適です(爆)。

詳細はブログに書いたので、興味のある方はそちらをどうぞ(^^)
「おゆまる」「おゆまグラ」でブログ内検索すると出てきます。
写真13

「拘束防水マスク5」は写真14のように、プレーンなカーブをもつ「アウターシェル」と、鼻のラインに沿った「インナーシェル」という2層構造にする予定です。すき間にはパッドが必要です。この素材さえ見つかれば制作に着手できるのですが…。

最悪は脱脂綿でも詰めてごまかそうかなと…(^^;)

写真14 拘束防水マスク5 構想図


4. スポンジインナーの形状改良

これは本当に小ネタです(^^;)

写真14の準備段階として、手始めにスポンジインナーの改良に取り組んでみました。

写真15 スポンジインナー(前回制作)

写真15のスポンジインナーは、厚さ1cmのスポンジを布でくるんだものです。ふかふか感がとても心地よく、写真の拘束防水マスク3とペアで変態ウォーキングの欠かせないアイテムになっています。

拘束防水マスク3の外観はプレーンなカーブになっており、スポンジインナーもそれに合わせた形状にしてありました。しかしこれだと、口元に余裕がありすぎる状態でした。

そこで写真16破線のように、口元に沿った形でインナーを作り直すことにしました。果たしてフィット感がどれぐらい変わるのか。

とりあえず、前述のパッドの件は無視して進めることに。
さっそく現物(顔)合わせで採寸をやり直します。

写真16

写真17 (左)改良前 (右)改良後 破線は特に意味ないです。

写真16のように形を変えると、展開した形はこう変わりました。フリーハンドで描くのはたぶん無理です。

作り方は改良前のと同じです。さらっとご紹介します。

写真18 スポンジに合わせて切り出した布2枚をまず袋状に縫い、裏返してスポンジを入れ、口を綴じます。逆V字のところだけ縫いしろを残してあるのは、次の工程のためです。
写真19 縦半分に折って、スポンジのふちギリギリを縫合します。これはしつけ縫いの段階で、この後ミシンで本縫いします。

縫いしろを切り落とせば完成です。所要時間45分。

こんな形になりました(写真20)。
矢印の頂点が鼻に当たるところです。

写真20 完成。斜め下から見たところです。
写真21

比べると違いがよく分ります。鼻筋のラインが変わっただけでなく、全体的により平べったい形になりました。顔の形はこちらのほうが近いですよね。

試着してみたところ、狙い通りのフィット感が得られました。口にベターッと張り付くようになり、当てガーゼの感触をよりじっくり味わえるようになりました。鼻の穴もきちんと塞がれて、息苦しくていいです(*´д`*)。これは大正解。プレイの時に使ってみたら、あまりに心地良くて賢者タイムに入った後もずっと着けてました(^^;)

そのまま半日ぐらい着けてたら、鼻筋がすこし圧迫される感じがしました。口元が奥へ引っ込んでるということは、鼻が出っ張ってるわけですからね。これを緩和するには、やはり鼻の下にパッドが必要なようです。そうすれば口元が圧迫されてより息苦しくなるでしょう(*´д`*)。

というわけで、写真14の2層構造は勝算ありそうです。
…パッド、どうしようかなあ。やっぱり脱脂綿かな?

インナーの研究はこれからも続きます。


2010.11.7追記
インナーマスクの話はこちらにもあります。

2010.10.5

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