台湾風マスク
見よう見まねで作ってみました

アジアのマスク大国の一つ、台湾

台湾マスクといえば、ほかの国では見られない独特のカラフルな素材と、顔の幅いっぱいの大きさが特徴です。またかの地では、老若男女問わず外出する時は、まるで靴を履くようにマスクを着けるのがごく自然なことと捉えられているようですね。

そんな台湾マスク、このサイトではあまり採り上げてきませんでした。素材にPVCなどをふんだんに使ったマスクは確かに面白いのですが、着用派フェチからすると、ぺらっとした一枚布を写真のように鼻を頂点として左右にピーンと張ったその形は、いかにもすき間が多そうで、フィット感はあんまり良くないのでは? と思ってたからなんですね。

ところが、先日見つけたサイトで、その認識が崩れ去りました。

リンクのページでもご紹介しているMasked Girl Picturesがそれです。
見たことのない形のマスクがたくさん載っています。

写真1 Masked Girl Picturesより転載

ネオ台湾マスクとでもいうべきこれらのマスク、従来(?)の台湾マスクとはここが違います。

  • 顔に合わせた上辺のライン
  • 超立体マスクのような左右合わせタイプ

上辺は顔に合わせてカーブしてますね。中央では鼻筋を包み込む凸形、そこから周辺へは目に合わせてくぼませ、ふちではこめかみをカバーするように再び上向きのラインになっています。全体として、より広い面積を覆おうとするデザインであることがわかります。

余談ですが、台湾マスクは排ガス除けが目的とよく云われます。しかしこの形からするとそれだけではなく、紫外線対策を兼ねているのではと思います。もし夏にマスクを着けることが不自然でなければ、メイクで紫外線を防御するよりずっと効果があるでしょうし、肌にも優しいでしょうからね。逆に、それが目的なら、中途半端なサイズでは日焼け跡が付いてしまいますよね。


前置きが長くなりました。

この形なら着用派フェチにとっても魅力的です。これを書いている夏にはちょっと暑そうですが、寒い時期には、ふんわりと顔を包む感触が気持ち良さそうです。

そんなわけで、試しに作ってみることにしました。
今回の目的は、着用感のチェックと、どれぐらい工程が掛かるかのリサーチです。
また目標は、家でのふだん着マスクに使えることと、あわよくば秋〜冬の通勤用として使えることです。拘束防水マスクシリーズはさすがに通勤には使えないです。形もさることながら、装着が面倒なので。両耳にぱっと掛けるぐらいでないと。

また結果次第では、自作マスク通販のコーナーに加えてみようかな? なんて思惑もあったりします。

とはいえ実物を見たことがないので、台湾マスクと呼ぶのはちょっと気が引けます。
そこで今回のタイトルは「台湾マスク」と付けた次第です。
台湾風といってもピリ辛とかじゃないですからね(笑)。

では、制作過程のご紹介。
まずは形状決めからです。

写真2 今回は紙ではなく、布で型紙を作りました。

前回の拘束防水マスク Liteで得たお手軽制作法で、まずは構造検討モデルをささっと作ります。紙だと引っぱって破けたり、耳ひもを付けた時の装着感を確かめられないので、布で簡易的に作ったほうがイメージを掴みやすいです。

写真3 構造検討モデル。うるさいことを言わなければ、これでもマスクの役目は果たします(笑)。

何度も書いてますが、複雑な立体である顔にフィットする形を1枚の布から切り出すのはなかなか難しいです。ミカンの皮むきに喩えると、広げた皮をどういう形で作れば、丸めた時にミカンの形になるか、みたいな。写真2の形が決まるまで、3回やり直しました。

いざ形が決まったら「展開」します。

チラシを半分に折って、写真3の物体をあてがって切り出したところです。写真3とは違い、鼻筋のところで接合するようにしました。これはインナーマスクを作った時に得たノウハウです。鼻筋に縫い目がくると、着けた時に当たって痛いので、そこを左右一体にしました。この展開方法は布地の無駄が多いので、市販マスクではあまり採らないですね。

ここから先の工程は、拘束防水マスクシリーズとほぼ同じです。

写真5 生地を切り出します。

今回は台湾風マスクの第1号ということで、生地はシンプルに白で統一しました。

  • 表地:白ナイロン(傘のようなシャカシャカした撥水生地)
  • 芯地:綿×化繊ミックス(ハンカチや割烹着のようなパリッとした生地)
  • 裏地:綿ジャージ2枚重ね

写真6 要所要所を糸で仮留め。この後周囲を仮縫いします。
写真7 ミシンで本縫いし、余白を切り落としたところ。

写真7の、中央の逆V字のところは余白を残してあります。ここは左右を合わせてから切り落とします。このへんもインナーマスクの制作で得たノウハウです。

写真8 左右を合わせて立体にした後はふちどりです。まずは左右から。ナイロンの光沢がフェティッシュですね。
写真9 続いては下辺をふちどりします。中央の、角度が急に変わる部分は縫い付けにくいですね。今回はわけあって幅広のバイアステープを使いましたが、本来はこんなに広くなくても大丈夫です。
写真10 最後に上辺をふちどりして、ワイヤーを入れます。

というわけで、最後に耳ひもを付けたら完成です。

台湾マスク1号 (制作時間 : 約4時間)

あー、サイドがたるんでますね(笑)
どこで寸法間違えたんだろ? 次回作ではここを改良します。

着用感は素晴しいです。特徴的な上辺の形はそれなりに再現できたと思います。(1)鼻筋がすっぽりと覆われて (2)目のところはちゃんと凹んでいて (3)こめかみもマスクで包まれて、という形はすごく「包まれ感」「安心感」がありますね。まるで顔全体を包んで目のところだけくり抜いたみたいな。紫外線対策もさることながら、冬には防寒用としてすごく良さそうな感じです。プリーツマスクとこのマスクを比べると、発泡酒とヱビスビールぐらいの差はあるでしょうか。(分りにくい譬えですみません)

特にこめかみのところは、マスクの着用感に関係なさそうな気がしますが、ここが覆われているとすごく気持ちいいです。目玉だけじろっと横を向くとマスクが視界に入るぐらいの「包まれ具合」なので。

あと、鼻の凸部はメガネをかける人にはいいデザインだと思いました。上辺がフラットな普通のマスクだと、メガネの「鼻当て」が、マスクにかかるかどうか微妙な位置にくるんですよ。このマスクのように鼻筋全体を覆えば、「鼻当て」は確実にその上に被さります。

マスクを顔全体に押し付けるテンションについては、やっぱり「耳に引っかける」タイプゆえ強くするには限度がありますね。こればかりは拘束防水マスクに敵わないところです。家の中で着けるぶんには、左右の耳ひもを後頭部でつなぐことで改善できると思います。

ちなみにこのマスク、本家本元にはない、こんな機構をフィーチャーしてみましたよ。

写真11 オリジナル機構

自作プリーツマスクシリーズでおなじみの、硬めの幅広ワイヤーあご下を通る左右一体ゴム紐です。

ワイヤーは冒頭の写真で見る限り、本家の台湾マスクには入ってないように見えますが、特徴的な上辺の形を維持するのにとても効果的です。最初はセカンドワイヤーも入れようかなと思いましたが、今回はマスク自体の形状評価も兼ねているので、あえて外しました。次回作では入れてみます。

また左右一体ゴム紐については、台湾マスクのこんな点が気になってたので入れたんですね。

これは従来型(?)の台湾マスクですが、あごのところをよく見ると、マスクの下端があごから離れてますよね。口をぱくぱくさせたら、マスクは追従せずあごだけぱくぱく動きそうな感じです。従来型マスクはこの点がどうにも気になって仕方がなかったのです。私の好みとしては、大きなプリーツマスクのように、あごをすっぽりと包む感触がほしいです。

左右合わせ型にすればあごを包むことはできそうですが、それだけでは、マスクを上へ引っぱり上げる力が弱そうな気がしていました。超立体マスクみたいに。ふわふわまとわりつくだけでは物足りない。ぴたっとフィットしてほしい(^^)。

そこで、通販プリーツマスクのVer.2で採用した左右一体耳ひもなら、ゴムの力でキュッと引き絞ってくれるのでは? と思ったのです。
結果は狙い通りでした。顔全体の包まれ感アップにかなり貢献しましたよ。

というわけで台湾マスク1号、いかがだったでしょうか。
改良すべきところはまだありますし、工程の簡略化も必要ですが、着用感を楽しむためのマスクとしては、プリーツマスクより1クラス上の包まれ感が味わえ、かつ装着も簡単という点で、拘束防水マスクとの「いいとこどり」になりうる感触を得ました。今後も機を見て改良していく予定です。


2010.11.6 追記
改良しました。
レポートはこちらです。
2010.8.20
2010.11.6

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