拘束防水マスク4
新素材導入

このネーミング、どうにかしたいとは思ってるのですが(笑)。

「拘束防水マスク」シリーズは、趣味と実益を兼ねた「変態ウォーキング」用のマスクです。包まれ感と息苦しさを重視した設計で、雨に備えて表地に撥水生地を使っているのが特徴です。去年(2009年)夏、ウォーキングを始めた時に1号・2号、その冬に防寒仕様として3号を作りました。現在は3号をあちこち補修しながら使ってます。

1号
(2009.7)
2号
(2009.7)
3号
(2009.12)
Lite
(インスタント版)

このマスク、インナーマスクを併用することで、包まれ感や息苦しさはほぼ目標を達成しました。あとはいろんな素材を試して見栄えを検討したり、構造の簡略化といったところが課題です。
時々ご注文をいただくので、着用感をキープしつつ、少しでも安くしたいと思ってます(_o_)。

そんな折、こういう素材を見つけました。

ラミネートシート(写真1)という手芸グッズです。

薄くて透明なビニールシートの表面に、熱で融解する糊が付いてます。これを裏返して布に乗せ、上からアイロンをかけると、布がビニールでコーティングされた状態になります。ビニールのテーブルクロスのような風合いになるそうです。(商品の詳細はこちら)

これを使えば、お好みの生地があっというまにビニール張りになりますね。レインコートやおむつカバー、防水シーツ、シャワーカーテンなどなど。夢が広がります(笑)

さっそくハギレでためしてみました(写真2)。レモンイエローのサテン生地をコーティングしたところです。サテンのメタリックな光沢を残しつつ、表面が薄いクリア層で覆わた独特なルックスになりました。これは面白い。

出来合いのビニールコーティング生地ってなぜか柄ものしか売ってないので、無地の生地が作れるのはありがたいです。

写真2

写真1

というわけで今回の素材は、ビニール張りの白サテンという不思議な生地に決定。表面がツヤツヤした白メタリックの立体マスクってどんな感じだろ? と思ったので。

え、それ、外に着けて行けるの? どうせまた鳥インフルエンザの防護服みたいになるんじゃないの? というツッコミはなかったことにします。

写真3 こんな感じですよ。

ではいよいよ制作に取り掛かりますよ。

写真4 生地の切り出し。

まずは生地の切り出しからです。
型取りは拘束防水マスク1号(改)から現物合わせで行ない、細部を微調整しました。このマスク、依然としてリファレンスになってます。

今回は裏地に、ポリエステル生地を使ってみました。ぱりっとした感触の、ワイシャツのような生地です。今までのマスクは両面とも撥水生地だったため、洗濯ができませんでした(間に入った水が抜けないため)。今回は洗濯できることもテーマに含めました。

また工程簡略化の一環として、表地と裏地は縫い合わせではなく、熱接着シートで貼り合わせることにしました。前回の全頭マスクで使ったのと同じ物です。前述のラミネートシートともども、説明書きによれば洗濯に耐えるそうです。

写真5 貼り合わせ完了。

あっという間に貼り合わせ完了。"樹脂製"のシートを重ねたので、表面は少しパリパリしています。触った感じは、ウィンドブレーカーに使われるようなナイロンを3枚ぐらい重ねたような硬さです。

そうそう、周囲を縫うのと違って全面が貼り付いてますから、実寸に切り出した後でもさらにカットできるのが助かります。

写真6 左右のパーツを重ねて鼻筋を縫います。

ここでようやくミシン登場。
この先の工程は基本的に今までと同じです。
まず中表にして鼻筋を縫います。これを裏返せばもうマスクの形になってます。
一度試着してこのラインを修正しておきます。

写真7 必殺ダブルワイヤー。

周囲をバイアステープでふちどりし、上辺にワイヤーを押し込みます。

ところで、従来のノーズワイヤーは上辺だけに沿う形になっていました。これだと着けているうちにこのように動いてしまいます。

そこで、黄色い線のようにコの字形に延長することで安定するよう改良しました。拘束防水マスク Liteで試して効果があったので採用しました。

写真8

写真9 ワイヤーを90度曲げてぐいっと押し込みます。
実際にやると難しいですね(^^;)

というわけで完成です。

写真10 拘束防水マスク4号

ディテールを説明しますね。

まず、ハーネス(装着ひも)を通す場所のうち左右の上端は、Dカンをやめてハトメにしました。Dカンで作ったフックをミシンで縫い付けるより、ハトメを叩き込むほうが圧倒的に早いです。カラビナを結合する場所(左耳の下と首の後ろ)はDカンのままです。

写真11 Dカンで作ったフック 写真12 ハトメ 写真13 カラビナ

あと、首ベルトを短くし、ベルクロを1つに減らしました。
このほうが縫う距離も短くなります。強度は大丈夫でした。

ところで、鼻のところにもハトメが付いてますね。

写真14 これは何でしょう?

これは頭頂ハーネス(写真15のピンクの線)を付けるための仕掛けです。

写真15
頭頂ハーネス
写真16
フック(裏側)
写真17
フック(表側)

今まではハーネスを通すのに写真16写真17のようなフックを鼻の頭のところへ縫い付けてました。これはバイアステープを小さく畳んでミシンで縫った物です。これだと左右の合わせ目の上に縫い付けるのが難しく、見た目を損ねてました。また、この厚みが鼻に当たるとそこが痛くなることもありました。(当てガーゼを厚くすればよいのですが)

そこで今回はこんなふうにゴム紐を通すことを考えました。

鼻の両脇にハトメを付けて細いゴム紐を通し、頭頂ハーネスを引っかけます。ここはわずかに空間ができるので、肌に当たる心配はなさそうです。

写真18で見ると異様な感じがしますが、ウォーキングの時はメガネをかけるので、フレームの陰になってさほど目立たないはずです。(夜なら尚更)

この穴からは当然ながら空気が漏れますが、それが気になるようなら、スポンジテープか何かで目張りすればいいやと思い、さくっと開けちゃいました。

写真18 V字ハーネス

こんな感じで新しいアイディアを出しつつ、なるべく手を抜いた効率化を図った結果がこのマスクです。機能は十分で、見た目はどことなく安っぽいのが今どきの家電製品に似てますね(笑)。

写真19 ちょっと角度を変えて。実際はこの写真より白っぽい感じです。
鼻の下がくぼんだ形になっているのが見えるでしょうか。
写真20 裏はこんな感じ。さらっとした布地です。周囲にはスポンジテープを貼る予定。

では、いざ装着!

おー、ぴったりフィット!
顔への追従性は過去最高です\(^o^)/

マスク単体でも意外と息苦しいです(笑)。周囲にパッドを貼らない状態でもほとんどエア漏れがありません。大きく息をすると鼻の穴からシューシューと吹き出します(笑)。指で穴を塞いだら窒息しそうになりました。ジャストサイズのインナーマスクを当てればいい感じに苦しそうです。

V字ハーネス(写真18)を追加したところ、すごく安定した状態で上へ引っぱられることがわかりました。効率化のためだけでなく、構造的にもアタリでした。拘束防水マスク3号も同じように改造しようかな?

あと、センターのラインは鼻の下をくぼませた形にしたのが大正解でした。マスク単体でもフィットしてますし、生地がわりと硬いので、当てガーゼを入れたら、それを顔に押し付ける効果も期待できそうです。インナーは薄くても良し、厚くても良しというマスクは、チューニングの幅が広がります。

気になる硬さはどうかというと、実用範囲に収まってます。革製のマスクと同じぐらいかな? 硬くても顔の凸凹にちゃんとフィットしていれば、そんなに気にならないものですね。

写真をよく見ると、あご下はあと1〜2mmへこませても良さそうです。あとは首ベルトの取り付け角度を少し上向きにしたほうがいいかもしれません。

写真21 いつものウォーキングスタイルに組み合わせてみました(背景は合成)。色もさることながら、魔法使いの婆さんみたいに鼻が飛び出てるのが異様ですね。やっぱり屋内用だわ、これ。あはははははは。

実はこれが完成した直後にひとつ面白いアイディアを思いついたので、さっそく試作してみようと思ってます。生地はこれでいいので、今度は色違いで。5号の登場は案外早いかもしれません。

…このテカリ具合、黒サテンで作ったらダースベイダーになるなw
コスプレ派の人には案外使える素材かも。ミシンで縫える甲冑とか。

2010.9.27

Prev  Next
HOME > 自作マスクの部屋 > 拘束防水マスク4
inserted by FC2 system