花粉マスクプロジェクト2011 (その1)
フェチは人の役に立てるのか

これまでいろいろな立体マスクを作った結果、着用派マスクフェチのための実用性は「異次元マスク」シリーズで果たせたと思います。毎日、あんなことやこんなことに利用しています。

でも、自作を通して知った技術やアイディアを、単にフェチの楽しみに留めておくのはもったいないです。春が近いことだし、ここはひとつ、花粉でお困りの方の役に立てないだろうかと考えてみました。市販マスクを超える花粉対策マスクを作ってみたいと。

花粉にまつわる企画としては以前、こちらで市販マスクの改造を試みました。今回のは首尾よく出来たら「自作マスク通販のコーナー」のラインナップに加える予定です。

今回ご紹介するマスクは、そのために試作した第1弾です。
「異次元マスク」をベースにします。

ちなみに私は幸か不幸か花粉症ではないので、効果のほどを検証できません。そこで、ブログ「変態ウォーキング日記」で人柱モニターになって下さる方を公募し、ご協力をお願いしました。
(モニター試用はこれからなので、レポートは別掲します)

コンセプトはこんなところです。

  • 花粉遮断効果が高いこと
    もちろん、市販の使い捨てマスクを超えるものを目指します。
  • 洗えること
    市販の使い捨てマスクはコストの制約ゆえ、すき間だらけの構造になってしまっています。性能を高めるにコストには目をつぶり、その代わり繰り返し使えるものとします。
  • 快適であること
    着けててうっとうしくないこと。
    体調のすぐれない時に着けるものですからね。
  • 脱着が簡単であること
    「異次元マスク」は耳紐が後頭部クロス式なので脱着が面倒でした。
    鼻をかんだり、フィルターを取り替えたりするには、簡単に着け外しができる必要がありますね。
  • マスクフェチでない方を、着用派マスクフェチの罠に引きずり込むこと
    冗談かと思われるでしょうが、かなり本気です

まずは形状の検討からです。
「異次元マスク」は人前で着けるには大きいので、縦か横を縮めようと思います。

写真1 形状の検討

どちらがお好みでしょうか?
マスクフェチの私からすると、縦に長いほうがカッコよく見えます(^^)
また、マフラーを巻くなど首が隠れる服装なら縦に長いのは隠せますが、横に長いとマスクの大きさが目立ちそうです。
というわけで幅を多少狭めることにします。

次は構造の検討です。

写真2 構造図

洗う前提とはいえ、回数はなるべく減らしたいですね。そこで考えたのが写真2の構造です。表地をナイロンメッシュで覆い、市販のペーパータオルを挟みます。ここは使い捨てです。ナイロンメッシュに開口部を設け、そこから差し込みます。(ナイロンメッシュには花粉フィルター効果は期待しません)

写真3 ナイロンメッシュ生地。ウェディングドレスのヴェールのような、スケスケな生地です。

また今回は、分割線の入れ方を変えてみました。

写真4 分割線の比較

異次元マスクは、鼻筋は左右がつながっていて、その下が分割されています。縫い目が口の周りにくることで、その付近の剛性が増し、マスクを口に押さえつける効果があります。

しかし今回は拘束感より快適性重視であることと、ペーパータオルの入れやすさを考慮し、中央でつながった形にしました。

出来上がりは同じ形でも、どこに分割線を入れるかで着用感が変わります。立体マスクの設計の難しいところでもあり、面白いところです。「どこをどういう設計にするとどういう着用感になるか」はいずれ理論にまとめたい(笑)と思ってますが、まだまだ修行が足りず、カットアンドトライの繰り返しです。

では、構想がまとまったところで、制作にかかります。

写真5 生地の切り出し

まずは生地の切り出しから。
半透明に見えるのがナイロンメッシュです。本体と同じ形に切り出して半分に畳みます。これを2枚用意しました。ペーパータオルの差し込み口はマスクの中央に設けます。こういうペラペラの生地の末端処理(ほつれ止め)をするのは大変そうなので、「山折り」したところを開口部にします。

写真6 本体 縫い合わせ完了

重ねた生地を縫い合わせ、写真4の分割線のところを縫合するとマスクの形になります。ナイロンメッシュ生地をミシンで縫うのは大変かな?と思ってましたが、何事もなく完了しました。

写真7 くぱぁ。

ペーパータオルの差し込み口が「くぱぁ」と開いてます。
ちょっと間抜けだったかも(^^;)

さて、ここで新兵器登場です。

写真8 テンションシミュレーター

すみません、名前負けしてますね(^^;)
これは「マスクのどこに耳紐を付ければ最も良くフィットするか」を探るためのものです。フィット感って、実際に着けてみないと分らないんですよ。

写真9 シミュレーション中。
写真10 安全ピンの頭に付いている「切り欠き」は、ゴムを仮留めするのに便利です。

取付位置が決まったら、ふちどりをして、ノーズワイヤーを封入し、耳紐を通すハトメを付けます。このへんの工程は「異次元マスク」と同じです。

写真11 ノーズワイヤーはいつもの2mmφアルミワイヤー。先端に被せてあるのは熱収縮チューブで、ワイヤーの先がマスクを突き破らないようにするためのクッションです。

というわけで本体は完成です。

写真12 ハトメが4個→6個に増えているのも異次元マスクとの違いです。脱着を容易にするための改良です。(後述)

さて今回は、インナーマスクにもひと工夫してみました。

写真13 インナーマスク

鼻の下がかぎ形にくぼんでますね。

写真14 インナーマスクの形状

マスク本体はプレーンなカーブで、インナーマスクだけをくぼませます。外観は普通で、その内側では鼻の穴をやさしく塞ぐ、マスクマゾならではの工夫です(*´д`*)ハァハァ

これは「二重底マスク」で試みた構造の改良案です。「二重底マスク」ではマスク本体をこの二重構造にしましたが、外殻と内張りをぴったり重なる立体にするのが難しくて失敗しました。今回は本体を二重にするのではなく、別途インナーマスクとして作ることで、誤差の問題を回避しました。

鼻を塞ぐ形が花粉症の方にとって吉と出るか凶と出るかは正直よく分りません(_o_)。「花粉が入らない=快適」になるか、それとも「鼻づまりっぽくて不快」になるか…。いずれにしても、インナーの交換で対応できるので、普通の形のインナーと両方用意しようと思ってます。

写真15 装着するとこんな形にくぼみます。

最後に、市販のペーパータオルでフィルターを作ります。

写真16 フィルターを作ります。

マスク本体の型紙を使って、揮発性のチャコペンで輪郭を描きます。

マスクは左右対称なので、ペーパータオルもミシン目が左右中央にくるように切り出します。写真16では型紙がはみ出てますが、フィルターは端ギリギリまでなくても大丈夫かと思います。

写真17 フィルター装着完了。

エンボスが付いたペーパータオルがうっすら見えるのがお分かりでしょうか。開口部が狭くてちょっと入れづらかったです。まるで袖口に手を突っ込んでシャツを引き出すように伸ばしました。なんとか装着完了。

写真18 アップです。

では、いざ試着!

写真19 装着図

うーん…開口部が真ん中にあるのはやっぱり間抜けですね。
これはモニターをお願いするには申し訳ないレベルかと(^^;)
善処します(_o_)

サイズは「異次元マスク」より左右を1.5cm狭めましたが、まだまだ大きいですね。実はサイズ検討の段階ではもっと狭めるつもりだったのですが、顔に当てがってみたところ「あまり小さいと市販マスクみたいでつまらないな」と思い、つい広げてしまいました。フェチと実用性とのジレンマですね。第2弾では邪念を振り払って、もう少し小さくします(^^;)

着用感は「異次元マスク」同様、すごくいいです。周囲にすき間が空くこともなく、よくフィットしてます。息を吸うと、空気がすき間からではなく、ちゃんとマスクを通過してくるのが分ります。通気性も十分にあり、普通に快適です。フィルターを外しても通気性はほとんど変わりませんでした。ちゃんとフィルターを通っているのか、それとも横を迂回してるのかは不明です(^^;)

ちなみにペーパータオル単体の通気性は使い捨てマスクと同レベルでした。「じゃあ、超立体マスクをここに押し込めばもっと良いんじゃね?」という本末転倒なツッコミはなしでお願いします(笑)。

着用感についてもう少しご紹介しますね。

写真20 ノーズワイヤーの効果

「異次元マスク」と同様、わりと硬いワイヤーを入れたことで、マスクのふちが顔に密着するとともに、鼻の「谷」の部分もよりフィットします(写真20)。着けていると呼気でだんだんなじんできて、鼻が鼻の形に包まれる感触になってきます。これは市販マスクでは味わえません(^^)。マスクの上から花粉が侵入してしまっても、鼻の穴まで到達しにくくなる効果がありそうです。

またインナーマスクも綿ジャージによる保湿効果があり、花粉に対するフィルター機能を高めるとともに、乾燥からくる鼻のムズムズを低減する効果も期待できそうです。「かぎ形」が鼻を塞ぐとどういう影響があるかはモニターの方のご意見を待ちたいと思いますが、とりあえず着用派フェチとしては快感です(^^;)。

写真21 サイズの比較

市販マスクのサイズは大きいもので写真21ぐらいですね。マスクの左右端が頬に乗ります。頬の皮膚は敏感ですから、ここにふちが当たってると、うっとうしく感じる原因になります。思い切って耳まで広げたほうが快適だと個人的には思います。

上下方向についても同様、あごの正面に下端が当たるよりは、喉まで下げたほうが「顔に異物が付いている」感じが低減されますね。また市販マスクのサイズは、顔の比較的平坦な部分に乗っている状態なので、上下にずれやすいです。曲率が大きく変わるところ(上端は目のすぐ下、下端はあごの下)まで伸ばしたほうが安定するようです。と、大きすぎたのを正当化してみたりする(^^;)

まとめると「見た目に納得できれば、大きいほうが快適なんじゃない?」というところです。

そうそう、「かぎ形インナーマスク」は、上下のズレ防止に効果がありました\(^o^)/

写真22 断面図

インナーマスクが「かぎ形」だと、鼻で固定されるので上下動が抑えられます。またマスクの上下端はバイアステープでふちどりしているので、ここを飛び越えてインナーがはみ出すこともほぼありません。結果としてマスク本体の安定に寄与し、快適性を高めることが分りました。

装着方法は写真23のように、耳紐+首紐方式にしました。首紐の片端はカラビナでハトメ穴に留めます。

首紐はなくても最低限のフィット性はありますが、あごから少し浮くので、話をする時など下顎が動くことが多い時は付けたほうが安定します。脱着は市販マスクよりは少し面倒ですが、これぐらいなら大丈夫かと…。

金属が肌に触れるのを好まない方は、カラビナの代わりに、帽子が飛ばないように留めるプラスチック製のクリップなどを使うとよいかもしれません。

なおハトメも金属ですが、ゴムを通すと肌から浮くので大丈夫だと思います。

写真23 装着方法 (下はカラビナ)

というわけで、冒頭の要件に照らして評価すると、こんな感じです。

  • 花粉遮断効果が高いこと
    モニターの方の評価を待つことにします。
    市販マスクよりは良いと思います。
  • 洗えること
    「異次元マスク」で実績あり。問題ありません。
  • 快適であること
    個人的には超快適です。
    市販の「湿っぽい紙マスク」という着用感よりずっと良いですよ。
  • 脱着が簡単であること
    妥協できる範囲かと。
  • マスクフェチでない方を、着用派マスクフェチの罠に引きずり込むこと
    …どうなることやら(^^;)

改良すべき点は「くぱぁ」と、もう少し幅を狭めることですね。これさえクリアできれば、モニターをお願いできるレベルかと思います。

写真24 正面上から。破線がフィルターです。コーヒー用のペーパーフィルターを展開するとちょうどこんな形かな?

2011.3.5

Prev  Next
HOME > 自作マスクの部屋 > 花粉マスクプロジェクト2011 (その1)
inserted by FC2 system