花粉マスクプロジェクト2011 (その5)
完成間近

前回の「花粉マスク プロトタイプ 4号 (Ver.2)」をモニターのお二人に評価をお願いしている間、自分でも毎日の通勤で着けてみて出来映えをチェックしました。

その結果気になったのは、マスクの下端を耳まで伸ばした(右図)ことにより、常に耳たぶに当たっている感触がつきまとうことでした。時間が経てば慣れるのですが、市販マスクから着け替えるときっと気になるでしょう。

花粉マスク プロトタイプ 4号

また、上を向くと喉にすき間ができてしまうのも気になるところでした。正面を向いていればしっかりフィットするのですが…。

前回のテーマは「ハーネスを片側2本に減らしつつ、側面のたるみをなくし、あご全体を包む着用感は維持する」というところでした。上記の欠点はこの弊害でした。それを少しでも改善しようと試みたのが今回のレポートです。

これらの欠点はマスクの形そのものに起因するものなので、初心に立ち返り、採寸からやり直しました。

写真1 構造検討モデル。この写真に収まるまでもなくゴミ箱に消えたものも数枚。

こういう地味な作業は単独ではネタになりにくいのでご紹介すること少ないのですが、実はマスクを作っている時間よりこちらのほうが長かったりします。

いろいろ試した結果、マスクの下端を耳の後ろまで回り込ませずとも、側面がたるまない形が見つかりました。

写真2 花粉マスク プロトタイプ 5号

4号と同様、マスクの下端は上端よりずっと後にありますが、下端が耳より前に見えているのがおわかりでしょうか。耳に当たらないぶん、このほうが着用感がずっと自然です。側面のたるみも無いですね。

耳ゴムの支点が耳より前にあってもたるまないのは、最初からたるんだ形であることと、バイアステープの微妙な張力(まっすぐに戻ろうとする)が働くおかげです。こんな作用は実際に作ってみないと分らないです(^^;)

もうひとつの欠点であった「上を向くと喉にすき間が空く」のを改善するのは、正直難しかったです。

写真3 理想と現実

すき間を作らないようにするには、喉元にもっと食い込むカーブにすれば良いように思われます。しかし現実には破線のような食い込みは起こらず(当たり前ですが)、あご下にシワとなって現れてしまうのでした。抜本的な改善はできず、「すき間」と「シワ」の妥協点をとって終わりにしました(_o_)。

このほか改良した点は以下の通りです。

  • 幅を少し狭めた
    十分な包まれ感を維持しつつ、見た目の違和感を減らしました。
  • 耳ゴムをマスク用(細くて柔らかい)に変更
    omuさんに教えていただきました。
    これをもって「完成」と呼べる着用感に近づいたと思います。
  • 左右の縫合線を見直し
    写真4 縫合線の見直し

    異次元マスク」と同様、中央〜下を縫合する形に変更しました。フィット性を高め、花粉の侵入と蒸れを防ぐためです。(口元に空間があると蒸れやすい)

    写真2では上端に縫合線が見えますが、これは前作で失敗した材料を流用したためで、縫合線はほぼ直線。写真4と同じ形状になっています。

    ここに縫合部がくると結果的に剛性が増し、通気性の低い素材で作っても、息を吐いた時にマスクがポコポコ膨らむ動きを抑えるメリットもあります。

見た目よし、通気性よし、着用感よしと3拍子揃ったマスクが出来上がりました\(^o^)/
今まで作ったマスクの中で一番快適なマスクです。これはどこへ出しても恥ずかしくないレベル。通勤の時に1週間着けてみたところ、6月の陽気にはちょっと暑い(笑)以外はほぼ完璧だと思いましたよ。

こうなると欲が出てきます(笑)
もう少し自分好みにしたくなりますね。
個人的にはもっと確実に鼻の穴を塞がれるマゾ感が欲しいです(*´д`*)ハァハァ

というわけでバージョン2。
ここからは改良というより味つけの領域です(笑)

写真5 花粉マスク プロトタイプ 5号 (Ver.2)

すみません、どこが違うの?って感じですね。
写真では分りにくいですが、鼻の下のくぼみを少し強くしました。もともとインナーマスクはこの形なので、それがより顔に密着するようになりました。鼻が鼻の形に三方から包まれるというか。「鼻の下」もインナーで覆われていると言えばそのフィット感が想像できるでしょうか。この感触に最近こだわってます(^^ゞ

あと、生地もちょっと変えてみました。

写真6 生地の違い (左:Ver.1 右:Ver.2)

Ver.2はすべて化学繊維でコーディネート。
いかにも蒸れそうですが、わざとです。

以前こんな事がありました。

3号、蒸れまくり(;_;)
きっとポリエステル生地のせいだ(-_-)
天然素材にすればいいんじゃね?
4号、綿サテンにするも蒸れまくり(;_;)
蒸れるのは口元に空間があったから。
密着させたら解消\(^o^)/
蒸れの原因究明がほぼ終わったところで、じゃあ反証でもしてみようか、と思い立ったのです。いかにも蒸れそうな素材だけで作り、密着して蒸れなかったら、この理論に間違いはないと(笑)。
…この熱心さを仕事に生かせば今頃は…ごにょごにょ。

はたして結果は…。

ぜんぜん蒸れませんでした。やっぱり素材ではなく形の問題なんですね。

写真7 裏地はつるつるのサテンです。

ちなみにこの素材チョイス、「反証」目的のほかに、ちょっと息苦しくするというチューニングも兼ねてます。サテン生地は通気性を保ちつつ普通の生地より息苦しいというすばらしい特性があります。見た目が繊細なわりに意外と洗濯に強いし、手触りが気持ちよく、しかもフェティッシュ。マスクには格好の素材です。安静時は普通に呼吸でき、歩いたりするとちょっと息苦しい。狙い通りのバランスになりました(*´д`*)ハァハァ

あと、もう一つの目的は「市販化に当たっての表面素材の見直し」です。4号で使った綿サテンは表面の毛羽立ちが早いようで、あまり長期の使用に耐えないのではと気づきました。花粉の付きにくさという点でもポリエステル100%のほうが良いでしょう。蒸れが解消されたことで、ポリエステルを表地にしようと思います。

まさに今、このVer.2を着けながら書いてますが、マスクが気持ちよくて気持ちよくて、ガマン汁がだだ漏れ状態です(笑)。これまで作ってきたマスクは「息苦しさ一辺倒」でしたが、これからは用途に応じて「息苦しさはそこそこだけど気持ちいい」という方向を重視したいと思います。

花粉マスク、ほぼ完成に至りました。派手なモデルチェンジはもう無いと思いますが、今後も機を見て小改良を続ける予定です。

最後に、当初のコンセプトとの照合を。

  • 花粉遮断効果が高いこと
    モニターの方のご意見からすると、大丈夫そうです(^^)
  • 洗えること
    洗濯機でもOKです。(要ランジェリーネット、要アイロン)
  • 快適であること
    世界に誇れるレベルです。(まじで)
  • 脱着が簡単であること
    市販のマスクと遜色なし。
  • マスクフェチでない方を、着用派マスクフェチの罠に引きずり込むこと
    …神のみぞ知る(^^;)

写真8 Ver.1を洗濯したところ。物理的な損傷はないものの、写真のようにシワシワになるので、再び外で着けるにはアイロンは必須です。

2011.6.5

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